泣くこと

母によると、私はあまり泣かない子だったみたい。だだをこねて泣くとか、転んで痛くて泣くとかそういうのも少なかったそうだ。
小さい頃の事はあまり覚えてないけれど、はっきりなんで泣いたのか分かっていた涙とそうでない涙があって前者ははっきりと覚えている。

あれは幼稚園年長さんの時だった。
私は来年から通う小学校の体育館でバスケットボールをついて遊んでいた。(確か自治会の行事で学校に行ったんだと思う)
そうすると、向こうから友達三人を連れた小学校三年生の姉がやってきた。
遊んでくれるのかとわくわくしていたら、姉は私の持っていたバスケットボールを奪うと、友達とキャッチボールを始めたのだ。そこに私は参加していない。
返して欲しくてボールの方へ走って行くと、ボールは私の頭上を通過していってしまう。それを追いかけて行くとまた同じ事が起こる。その繰り返し。
彼女たちの顔にへばりついたニヤニヤした笑顔を私は今でも思い出せる。
そんで泣いた。
胸糞悪くて、味方になってくれない姉を恨んで泣いた。
泣きじゃくる私を見た四人は笑って、そのまま何処かへ行ってしまった。
悔しかった。
人前では泣かないと決めた。
まだ四歳なのだから、泣いたって誰も咎めないだろうに、変なことを決意してしまったと今振り返って思う。

それから最近まで、感動以外で人前で泣くことは殆どなくなった。
というか泣けなかった。あの時の事と比べたら、それほど大した悔しさを感じてこなかったのかもしれない。


ところが。
最近すごく涙もろいんだ。なぜか。
センター試験が終わって泣いて、二週間半ぶりに恋人に逢って泣いて。
おかしい。自分の変化に自分自身が対応出来ていない。
ほんまでっかTV」というテレビ番組で「女性は情報処理能力が低いので理由がはっきりしないまま泣くことがよくある」という話を以前していたけど、まさにそんな感じ。


解決策もとむ。

(ジョジョ五部読みたい)