拝啓、センター試験様

センター試験様、1年ぶりですね。
いかがお過ごしでしょうか?




私は一浪の身なので、センター試験は2度受けました。両方惨敗でした。
ただ試験への思いの差はだいぶあったと思います。

1年目、現役の年。
1月の段階での私の学力は獣医学部を目指す受験生とは思えない低さで、最後の河合模試も志望校全てE判定でした。
この頃自分はなぜか意地を張っていたのか残念な成績にもかかわらず獣医学部以外に行くつもりもなく、受験するつもりもなかったのです。今思えば下らないプライドが邪魔していたのでしょう。
頭の中を浪人の二文字がよぎる中受けたセンター試験は最早惰性でしかありませんでした。
二日間のセンター試験終了後、翌日に三年生は学校に集合し、学校で一番大きな講堂でみんな一緒に自己採点をするのですが(先生曰く一人で自己採点して諦めてしまったり最悪自殺する奴がいるからだそうです。)、机を並べて共に勉強をした友人が謙遜しながら
「マジでヤバいんだけど!」
「全然出来なかった。」
と騒ぐ中で、私は一人シャレにならない点数に納得し
「私も全然出来なかった!」
と正直に言いました。皆嘘つきです。
勿論親友以外誰にも点数は明かしませんでしたが、親友にはマークミスを本気で心配されました。私もそう思いたかったです。

ここで私は完全に現役合格を諦め、残りの二次試験も滑り止めなしで獣医学科だけを受験し、落ちました。





2年目、一浪の年。
前年とはかけた時間と労力と気持ちが違ったので、必ずいい点数を取ってやろうと意気込んで会場へ向かいました。
1日目の文系科目はかなり手応えがあり、最後の模試で6割まで落ちた国語も本番では8割に戻り、正直これは行ける!と思っていました。

しかしながら2日目、大事な理系科目で私は大失敗をしてしまったのです。
数学ⅡBで三次関数に囚われすぎて時間配分を完全に誤り、手応えは全くありませんでした。
そのままドミノが倒れて行くように、そのあとの科目も振るわず、気がつけば最後のチャイムが鳴って居ました。
重たいからだを引きずるようにして何とか電車にのり、制服を着た現役野郎共の声をイヤホンで塞ぎ、iPhoneの音楽をシャッフル再生したところ、勉強中におそらく一番聞いたであろうBUMP OF CHICKENの「ロストマン」が流れたのです。
その瞬間目からボロボロと涙がこぼれ、ようやく体内を渦巻いていた悔しさを外に吐き出すことができました。真正面を向きながら瞬きもせずに大泣きしていたので、周囲のお客さんからすればドン引きの事態だったと思います。ホントすんません。
これまでやってきたことを否定されたような、1年目では味わったことのない気持ちになって、そのとき初めて「ああ、必死だったんだな。」と自覚しました。

何も考えずに泣いていたら気がつけば終点の池袋駅に着いていて、なんだかそのまま帰るのも癪だったのでサンマルクカフェでコーヒーゼリーを食べながら彼氏とその親友宛に遺言に近い手紙を書いて、落ち着くまでゆっくりしていました。
そのうち自殺でもしたんじゃないかと心配した母からの大量の着信履歴に最初の着信から一時間後に気付いたので慌てて帰りました。


1年たった今振り返ると、1年目の惨敗も2年目の惨敗も、私には必要だったんじゃないかと思います。
挫折なく受験を終えられたらそれはそれで大成功かもしれないけれど、少なくとも私には何かしらの着火剤が必要でした。


おそらくこのブログを読んでいる受験生はまずいないでしょうが、1年たってなんとなく懐かしさに浸りたくなったので、書いてみました。




そういえば去年の今頃、試験前日の記事を書いたりしたっけ。


1年前の自分へ。
1年後の私は池袋に献血しに行って37歳のペルシャ人男性に口説かれてるよ。だから安心してセンター受けな。