昔々のおはなし

そろそろ時効かな、と思いこの記事を書きます。
高校1年の冬から高3の秋まで、私には自傷癖があった。いじめられていたわけでもなければ死にたくてその行為をしていたわけでもなかったけれど、私はそれをやめることができなかった。
そして今日まで当時の事は自分の黒歴史として蓋をしていたままだったから、決別も兼ねて当時の精神状態を考え直してみたくなった。

そもそもの原因は一言では言えないが、家庭内がピリピリしていたり勉強が思うように行かなくなったり付き合った恋人が支配欲の強い人だったり、そういう細かい事が一つ一つ重なっていったから、というのは大きな要因だったと思う。もともと小心者で不満を相手に伝える事が出来ない性格なので、逃がし様のない不満や怒りを自傷行為という形で発散させていたのかもしれない。
当時付き合っていた彼(家族の誰もが当時を振り返っては「あの時のあんたはおかしかった」という様な付き合い方だった)と別れた後も自傷癖はそのまま癖として残り、繰り返すうちに閾値も低くなっていた。
最初にも言った様に死にたかったわけではなく、ただ血が流れて痛みを感じることで自分が今生きていてどんなに辛くともこの体は生きる事を望んでいるという実感を得たいが為にやっていたので、手首ではなく二の腕や太ももの付け根に傷をつけるのが主だった。...今思うと中二病くさいなぁ。


この癖が両親にバレたのは高3の進路決定の時期だった。
志望校の事で揉めに揉めて、今までで一番深い傷を左腕に作ってしまった。他の傷はだいぶ目立たなくなっているがこれだけはケロイドになってしまってもう一生消えない。
二の腕ではなく腕を捲れば見える位置に傷をつけたのは心の何処かでこの傷を見つけて欲しいと願っていたからかもしれない。今改めて考察しているだけだから実際どうだったかはわからないけれど。
学校で親友に「どうした!?」って聞かれてドン引かれてもいいやって気持ちで正直に経緯を話したら「なんだよお前もかよー!こないだ別の友達もやったらしくてさー!」とゲラゲラ笑ってくれた時は本当に救われた。

医療従事者である母にはものすごく怒られた。今は極力傷や癖のことには触れない様にしているみたい。

父は今も傷を見てはなぞりながら
ウェディングドレス着るときどうすんだよ...。」とドラマのセリフみたいなことを言います。
この一件でかなり両親を精神的に消耗させてしまったと思う。今でも申し訳ない。

姉にはこの件でかなり助けられた。
両親が最初私の自傷癖を知って拒絶反応を起こした(頭の狂った精神病患者みたいに扱われて非難されたのがけっこうキツかった)時に唯一の理解者になってくれたのが彼女だった。

この行為そのものは全く良いことではないが、今の自分が過去の経験から成り立っているならば不必要ではなかったんじゃないか。そう思うことにした。
そして色々あったにせよ今は毎日が楽しくて仕方がなくて、自分が生きるのに必死だからもう大丈夫だとなんとなくそう思うのです。