ファザコンと呼ばれた日

満員電車に揺られ池袋へ。
混雑した車内で立ちながら出来ることと言えば縮こまりながら本を読むかスマホをいじるか同乗者を観察するかのどれかになる。
ちなみに今はシャッフルで曲を聴きながらサラリーマンを観察している。
イヤホンからはマイケミのsingが流れている。大好きな海外ドラマ「glee」でも歌われていたので思い入れは強い。

さて、突然だけれど私はサラリーマンが好きだ。というかスーツが好きだ。
なぜってかっちりしているから。「仕事します!」って感じがしない?
とはいえ誰でもいいのではなくて、やっぱりスーツを着た父が好きなのです。
だって私が一番最初に見たスーツは父の姿で、さっきまでパンツとシャツで寝ていたのにスーツを着るだけでバシッと決まる父を見てきたのだから。


父は物理屋で北海道の大学では電子工学を専攻していた。幼い私にとっての「お父さん」は家に帰ると眉間にシワを寄せて口をへの字にしながら工具やハンダ付け、基盤とにらめっこをしている人のことだった。あんまり外で遊んでもらったことはなかったきがするなぁ。


父から貰った印象深いものといえば、9歳の誕生日に貰った電子ブロックである。


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緑のブロックの組み合わせで回路を作るおもちゃ(?)で、ラジオや録音機などを自分で作れちゃう優れものだ。
物理屋の父はこれを機に物理に興味を持って欲しかったのかもしれないが、私に身についたのは立方体を隙間なく詰めることの快感だけである。

私は父が好きだが、最初からこんなに好きだったわけではなく、中学時代は大っ嫌いだった。
それでも今は学校帰りに一緒にご飯を食べたり土曜日に早朝から市場にマグロを買いに行ったりするし、多分結婚するならお父さんみたいな人がいい。


って言うと友達に軽く引かれる。